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(180)仲良し関係って、必要?2023.12.29 Friday
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ここをクリックすると
音声でお聴き頂けます。
「職場で仲の良い人ができないんです」
「家を行き来できるママ友が居ないんです」
というお悩みを聴きます。
仲良しが居ると、確かに心強いです。
ただ私自身を振り返ると、仲良し関係をつく
らないように心がけて来た繋がりもありました。
それは、子どもを介した関係やOL時代の同
僚とのつきあいです。
小学校でのママ友関係は特にそうでした。
雑談ができる程度の関係に留め、自宅を行き
来することはなかったです。
そんな私とは逆の欲求である冒頭のお悩みに
興味を持ちました。
そこで今月は
この「仲良しを作りたい」欲求の真意につい
て考えてみました。
━━━
多い少ないは別にして、誰にもいくつか所属
先があります。
その中でも、
・自発的に参加する場と
・必要に迫られて参加している場と
大きく2つに分かれます。
自発的な関わりと必要に迫られて属する場で
は、自ずと参加への熱量や求める関係の質も
違いますよね。
ここでは後者の、必要だから属する場につい
て話を進めます。
そう言っても、人が集まる場では求める雰囲
気、心地よさには共通したものがあります。
例えば
・受け入れられる感じ
・情報交換のしやすさ
・サポートを得られる雰囲気
・攻撃されない安心感….など
おおよそこんな感じで、
まとめると、孤立せず安心できる環境がそれ
なのだと思います。
ただ、ここには「何でも話せる」とか「いつ
も一緒」という類いの親密さは含みませんでした。
…というのも私自身が、自発的参加でない関
わりには深い親密さを求めていないのだと改
めて感じたからです。
そんなふうに振り返りながら「心地良さ」と
いうキーワードから思い出した書籍がありました。
タイトルは「生き心地の良い町─この自殺率
の低さには理由がある」です。
2013年に出版されたこの本は、日本で一番
自殺率の低い町について書かれたものです。
著者がこの町に住み、比較検討・研究された
のです。
この内容に、冒頭のお悩み解決へのヒントが
あるように思いましたので、紹介します。
研究対象になった町(徳島県の旧海部町)の
人にはこんな傾向がありました。
・空気を読まない会話
・新参者を拒まない雰囲気
・相手に深入りしない淡白なつきあい
これが「生き心地の良さ」につながっている
というのです。
これらの傾向からは、あっさりとクールな感
じが伝わって来ます。
でも、誰かが困っている時には、町の人は即
介入するのです。
加えて、困った時には、自己開示できる空気
があるのも特徴です。
「空気を読まない」点についての面白いエピ
ソードがありました。
それは、赤い羽根の募金についてです。
「みんながやっているなら…」と周りに同調
する地域が多い中で、この町では、個人の気
持ちを尊重しても許される雰囲気があるのです。
「使い道がはっきりしないお金は払いたくな
い」という人の気持ちが許容されるのですね。
一方、
この町と比較対象された自殺が多発する町
は、日本の良い点が集約されたような地域でした。
その特徴は
「勤勉さ、忍耐強さ、思いやり、日常的な助
け合い、絆重視、礼儀正しく迷惑をかけない
振る舞い、周囲の空気を読む」などです。
これって、日本の美徳とも言えますね。
このどちらの傾向が良いのでしょうか?
町の傾向を二者択一で評価するのは、難しい
です。ただそれでも、自殺率から考えると、
海部町の評価が高くなります。
長い目で見て「淡白な繋がり」の海部町が、
心地よく暮らせているということです。
この比較を見た上で
冒頭のお悩みを振り返ってみます。
・職場で仲良しが欲しい
・自宅に呼べるママ友が欲しい
これらの欲求からは、誰かと特定の関係を築
くことで孤立せず、安心感を得たい、という
守りの気持ちが伝わって来ます。
学校行事の場で一人で居るところを見られた
くない…とか、職場の休憩時間に一人で居る
と、嫌われてると想われる…というのを聞きます。
孤立を避けたいという気持ちには共感しま
す。しかし、特定の仲良しが居ないことが、
孤立や仲間はずれを連想させることについて
は疑問が湧きます。
まぁ、個人個人の性格の違いはあると思いま
すが、大人になると「一人で居る、一人で生
きる」覚悟のようなものが必要かなと思います。
親密ゆえに同調圧力が働き、自分の意志で動
けなくなると、その関係はストレスに変わります。
海部町の人のように空気を読まない会話を、
敢えてする必要はありませんが、自分の考え
で動き、深入りしない態度で過ごしてもいい
のではないでしょうか…。
そうして
その中で、話しやすい人が居れば軽くおしゃ
べりをする。こんなふうにほどほどの関係を
築けていれば良いんじゃないかなぁ…と思います。
話せる人がいなければ、無理に関わる必要も
なく、それでもヨシ….と良い意味での開き直
りができれば、気持ちが楽です。
深入りしないという点で私は、家族の中でも
大人同士なら、この関係が適していると考え
るようになりました。
固い絆よりゆるやかな絆で、困った時は助け
を求めることができ、快く応じ合えることに
心地よさを感じるからです。
「クール過ぎる感じがしますか?」
親密さを求める人には抵抗があるかもしれま
せんね。
しかし、変化する常識に心を削り、関係を保
ち続けるため疲弊するよりは、賢明だと思う
のです。
そういう点から観て、
海部町の人たちの姿勢が注目されたのかもし
れません。
周囲との摩擦を恐れてストレスを溜めるより
湧き上がる自分の感覚と摩擦を起こさないつ
きあい方を心がけたいです。
周囲の意見を参考にしながらも、自分の感覚
を尊重した態度を示す。
こういう態度は、自分を、そして相手をも守
ってくれます。
例えば、
「あの人、本当はどう思ってるんだろう?」
と勘繰ったり、
「どうせわかってもらえないなら」と不要な
あきらめの気持ちや、その他、行き過ぎた気
遣いや忖度が減ると、お互いに誠実で居られます。
誰もがそうできると、この国は身の安全だけ
でなく、心の安定も保てる生き心地の良い国
になると思います。
とは言っても、国レベルでは難しい。
…ということでまずは
あなたや私の周りからこの態度を時々でも
思い出しながら、生き心地の良さが広まると
いいなぁと思います。▼ご紹介した書籍
- ご挨拶 -今年も読者で居て下さり有難うございました。
来年も引き続き、身近な気づきを私なりの視点でつぶやきます。
2024年もどうぞよろしくお願いします。
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(177)その態度…実は無視と思われているかも。「報・連・相」には要注意!2023.09.21 Thursday
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人が傷ついたり、怒りを覚える理由はいろい
ろありますが、中でも間違いなくそうなるの
が「無視」されたと感じる時です。
今月は、「報告・連絡・相談」を怠ることが
相手を「無視」することにつながり、人間関
係の破綻も招きかねない、そんなことをつぶ
やきます。
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報告・連絡・相談は大事だと言われ、社会人
ともなれば当然身につけておきたい姿勢です。
しかし、それがなかなか難しいということ、
仕事関係や家族間を問わず感じます。
そもそも
報告・連絡・相談は、語呂の良さや野菜の
「ホウレン草」の響きもあり覚えやすいから
なのか、それぞれの漢字の頭をとって「報・
連・相」と呼ばれますが、行われる順序は
「相談→連絡→報告」で「相・連・報」です。
まずは、
「相談」して、
その経過を「連絡」し、
結果を「報告」するという流れです。
コレを逆にして、
相談も無く、その経過の連絡も受けず、いき
なり結果を知らされても困るわけです。
ビジネスの基本などとも言われ、情報共有の
徹底もありますが、それ以前に私たちの心に
直接影響のある大切なマナーです。
たとえば、あなたは
突然、結果だけを知らされ
「そんなこと、聞いてないよ!」という気分
になった経験はありませんか?
驚くだけではなく、気分を害し、相手との関
係が悪くなったというようなこと….。
うまくいった結果だったり、今後もうまくい
きそうな計画でも、知らされなかったことで
傷ついたり、気分を害するのはどうしてなのか?
こんなふうに、順序立ててたずねられると
「当たり前でしょう」と誰もがわかると思います。
そう…
自分を置き去りに無視した形で進められたこ
とは、たとえ賛成できる内容であっても、相
当こころの広い人でないと、気分よく受け取
るのは難しいということです。
そう考えると、人は自分の存在を無いものの
ように扱われることは、反論されるよりも大
きく傷つくことがわかります。
ビジネススキルだとか何とか言う前に、相手
の心を逆撫でしてしまうわけです。
報連相を怠った人は、それなりに事情があっ
たのだ…と言い訳をしたところで、その態度
が意味するものは相手の無意識下にしっかり
届きます。
「無視」や「置き去り」「排除」など、存在
を軽く見たり、居ない者のように扱われた感
覚は、人が一番嫌悪することです。
その反応として、表面的には怒りや反対意見
が見られることも多いでしょう。
でも実のところ、心の底に芽生えた最初の感
情は「断絶された」とか「繋がっていない」
などのような「さみしさ」ではないでしょうか。
逆に、相談や協力を求められることは、自分
が認知され、大切な存在だと意識されている
様子が伝わります。
大変な相談や協力は迷惑だ、と感じる人もい
るでしょうが、無視、置き去り、排除された
のとは比較にならない気分だと思います。
場合によっては、伝えなければならないとわ
かりながら、そうできない事情があったのか
もしれません。
ただ、先延ばしにすると、いっそう成り行き
は悪くなる。目の前の保身にはなっても、最
終的に墓穴を掘ることに繋がってしまいます。
加えて、誠実さを欠いた態度は、周囲に気づ
かれないとしても、自分だけは意識できています。
さて、
その状態が及ぼす影響は何なのでしょう?
それは、私たちの心を支えてくれる「自信」
の在り方です。
相手を欺いたと思っていても、
その姿勢が、実は「自分を信じる力」を自ら
で削いでしまっている。そうして自信喪失に
繋がっていく。
この流れはなかなか気づきにくいです。
大人になると、目に見えるようなあからさま
な無視はしなくても「連絡をしない」「忘れ
たフリをする」など不誠実な態度をとる…。
真っ当な理由があれば、まだヨシとしても、
保身のためであれば、自信を失くす道に繋が
っていることを意識する必要があります。
そうは言っても、ウッカリは誰にもあったり
ちょっとした意地悪な気持ちで、つい…とい
うこともあるでしょう。
そんな時でも、
うわべを取り繕うのではなく、その行為が相手
に与えるさみしさや、自らに及ぼす影響を自覚
できると、その後の態度はずいぶん変化するよ
うに思います。
ちょっとしたボタンの掛け違いだと軽く見るの
ではなく、できるだけ早く誠実な態度を示すこ
とが賢明です。
これまで私は、カウンセリングの中で、こじ
れた人間関係について相談を受けることが多
くありました。
そこでしばしばお聴きするのが
「人間関係ってめんどうですね。」
というフレーズです。
正直、私もそう思うことがあります。
でもやっぱり人との関係に必要なのは、当た
り前だけど思い遣りだなぁ…と思うのです。
相手にさみしい思いをさせる態度をとってし
まっていないか?など
人間関係は、結局のところ、想像の翼を広げ
られるかどうかなのだと、、、。
ただ、その翼を広げたとしても、こちらの思
いも及ばないところでの傷つきを与えている
かもしれないし、
いくら伝えあっても、分かり合えないことが
多いと実感することもあります。
とりわけ、私は目の前のことに精一杯になり
がちで、ウッカリして大切なその翼を広げ損
ねることがしばしばです。
だからこそ
まずは「相談」して協力を仰ぎ
経過を「連絡」し助言をもらい
そして結果を「報告」することは
私が大切にしている人生態度の一つです。
これは、相手との年齢や性別、立場を超えて
通じる価値ある態度だと感じています。
時には面倒だと思うこともありますが
これからも、
想像の翼を広げ、伝え合うことを諦めずに進
みたいです。
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(173)「腹」を明かすタイミング2023.05.25 Thursday
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「親子でも腹を探ることがあるのだから、
他人さんとの間ではありがちよね」
と先日、
女同士の何気ない会話の中でこんなことを耳
にしました。
その時、
私は、この「腹を探る」という表現にギョッ
としました。
「腹を探る」という言い回しに何とも言えな
い不快な気分になったのです。
なぜそんな気分になったのか?
そこで、
今月はこの「腹」にまつわる発言について考
えることにしました。
「腹」と言えば
・腹づもり
・腹を割る
・腹黒い
などの表現があります。
「おなか」の意味の他に「気持ち」や「本
音」といった心の奥の状態を示します。
私たちは人と関わる時、相手の気持ちを推し
量りながら会話を進めますが、これは腹を探
りながら…という行為になるのでしょうか。
「推し量る」というのは相手の気持ちを想像
する心遣いも含まれるように感じます。
一方、「腹を探る」という表現にはとてもい
やらしい感じを持ったのです。
気持ちを汲むという思いやりからではない、
正に腹黒さがうかがえたからです。
ここで使われた「腹」について、私なりに考
えました。
「計画」とか「算段」「魂胆」「策略」…そ
んな意味合いが浮かびました。
そう思うと
この種の「腹」を無意識にでも感じ合うこと
で、人間関係に煩わしさを感じてしんどくな
るのが私たちなのだろうなぁ…と。
そんなことを考えている時に浮かんだのが、
LINEグループでのやり取りでした。
グループでの決定事項について発信した私の
メッセージに返信が来ない様子から感じたこ
とです。
思い返せば、これまでにも他の方の発信につ
いて同様に感じたことがありました。
その様子を思い返すと、
最初に返信するのは、ほぼ「いつも同じメン
バー」です。
一人が返信すると
それを追ってボツボツと他の人も返す感じ。
既読サインがつくので、みんな読んでいるこ
とはわかっているのです。
最初の返信までの沈黙の間、誰がどんな返信
をするのか様子見している状態が伝わってき
ます。
私は、その「いつも同じメンバー」の中の一
人です。
ただ、
よく考えて返したメッセージでも、誤解を生
む表現になることもあります。
でも、
その時はその時で、訂正してわかって貰えば
いいわ…というスタンスなので返信を控える
ことはほとんどありません。
意見を表明せずに静観して居ることが良い場
合もあると思いますが、腹を探るための様子
見の静観はどうなのでしょう?
1対1だと意見を伝え合うのに、グループに
なるとだんまりになる。
この種のことについては、他の場でも話題に
上ったことがありました。それは、ママ友グ
ループのやり取りについてです。
その人は、自分の発言が最後にならないよう
に気にしていました。
最初の発信も気が引けるけど
発言が最後になるのも避けたいと言ったのです。
返信しないわけにはいかないが、目立ちたく
もない。
メンバーからの反応がとても気になる様子が
伝わってきました。
片や私の場合は
黙っておく方が大変で、心の中で自分の口を
塞ぐように努めなければなりません。
こういうスタンスは、社会人としては未熟だ
と分類されるでしょう。
なぜなら、自分のメリット・デメリットを熟
慮し、賢く対応するのが大人の姿だとも思う
からです。
現に私は、口火を切ったことで、貧乏くじを
引いたり、助けを求め周囲に面倒をかけたこ
ともあります。
ただ、そういう危惧を感じながらも、私には
大切にしていることがあります。
それは、「タイミング」です。
このタイミングは2つの意味を含んでいます。
1つ目は、
タイミングを信じる
2つ目は
発信のタイミングを図るということです。
1つ目の
「タイミングを信じる」というのは、
そのタイミングで考えついたのだから、発信
するに値することなのだ、と湧き上がる思い
を信じるということ。
人生の蓄積によって芽生えたと理解し、自分
の発案を信じる材料にしていくということです。
2つ目の
「タイミングを図る」というのは
・即発信するのか?
・伝える時期を見計らうか…のタイミングです。
というのも、
発言しようとする内容が、これまで続けられ
て来た事柄への進言である場合、それを担っ
て来た人の気持ちを大切にしたいからです。
その配慮としてのタイミングが必要だと感じ
ます。
一方、
自分がどう思われるか?という人目が気にな
るだけであれば、思いついた時が発言時かも
しれません。
なぜなら、
思いが浮かんだにもかかわらず、発言を先延
ばしにすることで、心配材料がチラつくから
です。
そして、目的よりも保身の気持ちが働くと、
アイデアを引っ込めてしまいがちです。感性
が理性に抑えられるケースですね。完璧を求
める人には多いかもしれません。
もちろん、
取り返しがつかなくなるような重要な判断で
は、先の先まで見越した発言が必要です。
でも、
そうでない場合まで、石橋を叩くような態度
が求められるのか?といえばそうでもないよ
うな気がします。
私にとって本当の失敗は、
「伝えておけばよかった」
と発言を見送った時の後悔です。
タイミングを考えながらも
自分から湧き上がるものをスルーしない。
このスタンスが私にとって良いと感じるの
は、同じような姿勢の人と繋がれるというこ
とです。
その結果、
腹を探らず、ラクなつきあいができます。
「ラクなつきあい?」
「あなたが感じているだけじゃないの?」
…と言われるかもしれません。
そうです、
そのとおりです!
他人が何を思っているのか、私にはわかりません。
他人の心は、他人のものですから…。
それと同時に
自分の気持ちは自分のもので
自分の機嫌を良くしておくためにも、健康な
精神状態を保っておくことを他人に肩代わり
してもらうことはできません。
それなら、
周囲への気遣いを忘れず
目的に沿って、自分の気持ちを伝える態度に
知恵を使えばいいのではないか?と思うのです。
慎重な姿勢を忘れてはいけないけれど、他人
の反応を気にし過ぎて、迷いの中で時間を費
やすほど人生は長くない。
いつもそんな思いで居ます。
さて、
あなたは自分の「腹」を
どのタイミングで
どんなふうに伝えておられますか?
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(172)腑に落ちない常識からの晴れない気分、どうしていますか?2023.04.29 Saturday
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▼下記をりぼーんの朗読で聴く ≫≫ スタンドFM
「えっ、何それ!」
「それって、おかしくない?」
新たな場所に所属すると、自分の知る常識と
は違うルールで物ごとが運ばれる様子に、驚
く事があります。
「私はこう思うけど、
他の人はどう思ってるのかなぁ?」
「私は従う気になれないけど、
皆さんはそれでイイの?」
…など
じわじわと疑問が湧き上がる。
こんな経験はありませんか?
新年度に入り、
新たな場所で活動が始まった方も多いと思います。
そこで今月は、
新たに現れた常識への対応として「本来の目
的に立ちかえる」姿勢について綴ります。
そこここに在る暗黙のルール
一般常識と言われるものの他に
その場特有の常識や慣習ってありますよね。
その常識への疑問や違和感は日毎に薄れ、馴
染んでいく、馴染ませていく…そんなふうに
社会へ適応していくのが通常でしょうね…。
馴染んでいかないと、そこに居続けるのは難
しいですから…。
ただ、そんな中でも
「なんだかなぁ…?」と
しっくりこない思いを引きずりながら過ごさ
なければならないこともあります。
そんな腑に落ちない成り行きに、人はどのよ
うに対応していくのでしょう?
ただ、
対応と言っても、自然に馴染んでいることも
多いでしょうから、なかなか意識に上ってこ
ないかもしれません。
そこで
意に沿わない時の反応を私なりにタイプ分け
してみましたので、あなたもいつものご自身
を思い出してみて下さい。
1)積極的に馴染んでいく円満タイプ
2)周囲と折り合いをつける合意形成タイプ
3)自己主張気味の反論タイプ
詳しく観ていくと、もっと細かくわけられま
すが、ここではこの3タイプにしておきます。
こうしてみると日本では
3)の反論タイプは少なく、
1)の自ら馴染んでいくタイプと
2)の周囲と折り合いをつけながら、自分の思
いを発信するタイプがほとんどでしょう。
ということで
1と2を検討します。
まず、
1の積極的に馴染むタイプは、
相手との間に波風を立てないように、自分の
思いを抑えて同調する感じ。
明確な意見があっても、立場によっては意見
を抑えざるを得ないこともあると思います。
つらいところですよね。
それでも、周囲と対立しないという点では、
この姿勢は大切です。
2の折り合いをつけるというのは、
周囲と自分の意見をすり合わせながら、互い
に納得できる妥協点を探し、話を進める。
この2番が難しいのですよね(>_<)
周囲の意見や雰囲気を尊重しつつも、自分を
抑え過ぎず、タイミングを見計らって思いを
伝えたり、行動に移す。こんなふうにうまく
折り合いをつけながら、関わって行くのは簡
単ではありません。
それでも、
周囲がこの姿勢に協力的だといいのですが、
そうでない場合は難しいです。
例えば
否定的な雰囲気や無反応なケースです。
このような感じだと、タイミングを見計らう
のも大変です。
それなら
2のように、同調する方がすんなりいっ
て、いいんじゃないの…とも感じます。
ただ、
それが度重なるとしんどくなるのですよね。
というのも、
周囲との摩擦は生まれなくても、自分から生
まれる違和感をスルーすることは、自分をあ
ざむくことでもあるのでストレスにつながります。
そして何より、
自らで考える力が衰えて、人生を楽しく生き
ていくエネルギーも削がれていきます。
それなら、
どうすればいいのでしょう?
そこでお伝えしたいのが冒頭でも書いた
「目的に立ちかえる」思考です。
当たり前のことのようですが、うっかり忘れ
がちです。
いつものように処理されて行く様子にがっか
りしながらも、適当な手立てが見つからな
い。その場の雰囲気を読みながら、いろいろ
考えるが、うまく言葉が出てこない。
そういうことで
いざ言葉にすると目的そっちのけで攻撃的に
なったり、または、早く話を終わらせること
がゴールになって、本意を伝えられなかった
りする。
その結果
意見を通す思考が優位になると、たとえ口に
は出さなくても
「私が正しい!」
などと思い込みが湧き上がり、怒りの気持ち
がグルグルと巡る。
本末転倒な話です。
そのような悪循環を感じた時、
「何のためなのか?」と
目的を振り返ることができるとどうでしょう?
そう心の中でつぶやけた時点で
すでに客観的になれて居るし、
自分の意見が目的から外れていた場合は修正
できます。
目的ベースで話すことは、利己的な意見にな
らず、発言の主旨も認められやすいはずです。
さて、
ここまで読まれて、
あなたはこれまで、腑に落ちないことに出く
わした時、どんな反応をして来られたか思い
出されましたか?
もちろん、
誰しもトラブルは好みませんから、多数派や
立場の強い人の意見に従ったり、意味なく続
いて来た慣習をそのまま踏襲せざるを得ない
こともあるでしょう。
しかしそんな時だからこそ
目的を振り返ってみる。
「何のために行われているのか?」
「何の目的で続けられて来たのか?」
目的確認は、頭が整理されるとともに
その場の進め方や
関わり方の判断材料にもなります。
例えば、
・意見をさし挟まず、従って良いことなのか?
それとも
・少し、角は立つかもしれないけれど、思い
を伝えてみても良いのか?
流れに任せたままではなく、
自分の言動を自分で選択する感じです。
もちろん
何にでも目くじらを立て、ムキになる必要は
ないと思います。
ただ、状況がスムーズに流れることを優先し
過ぎると、モヤモヤした気分が溜まり、精神
的にしんどくなります。そうして心は曇り、
自信を持てない日々に繋がっていきます。
最近、
「心が晴れないなぁ…」と感じている方、
湧いてくる違和感をどんなふうに扱って来ら
れたでしょう?
何となく
やり過ごしてはいなかったでしょうか?
自分の言動を、目的を持って選択してみると
気分が変わってきます。
この連休に
ちょっと、振り返ってみる時間をとってみませんか?
-
(171)人が支えられるチョッとした反応2023.03.29 Wednesday
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▼下記をりぼーんの朗読で聴く≫こちら
「また会いたい」とか
「末長くおつき合いしたい」とか
関係をつなげていきたいと思える人との出会
いがたまにあります。
私たちの日常は、酷く傷つけられることはな
い代わりに、つきあい続けたいと思える出会
いも、そうたくさんはありません。
そんな中、
ここ最近で出会えた人の振る舞いから、改め
て感じることがありました。
それは、特に目立つものではないけれど、
自分が大切にされた…という安心感でした。
どこから来たのでしょう?
この感じ…。
そこで今月は
何がそういう気分を呼び起こすのか?につい
て振り返りました。
例えば、
私が思い出したのはこんな振る舞いです。
・つい忘れてしまいそうな場面での温かいあ
いさつ
・複数人で話している時に自分にも注がれる
話し手の視線
・途中で遮られた話を戻し入れてくれる声かけ
….などです。
あなたは、どんな場面が思い浮かびますか?
上記以外にもいろんな場面があると思います
が、やはり誰しも、自分が大切にされたかど
うかは、気分の分岐点になりますよね。
「あなたの存在を感じていますょ」…と、受
容されていることがわかるささやかなメッセ
ージが伝わって来ますから・・・。
一方
視線を外されたり、話をスルーされるなど、
ぞんざいに扱われたと感じた時は悲しくなり
ます。憤慨や孤独感に繋がることもあるでし
ょう。
こう考えると、人の心は見過ごされそうな小
さなメッセージからも、折れたり支えられた
りするのだと思います。
それなら、自分が支える側の態度を心がけれ
ばいいのだ、と思いながらもそれがなかなか
難しいのが私の現状です。
単に、気がつかないということもあるけれど
それにプラスして、私にはこんなことがあり
ます。
人と関わる時、両者の間に生まれる相手を思
う熱量のバランスを測る自分が居るのです。
例えば、
・こちらは気にしているのに、
相手はそれほどでもない。
・こちらは楽しみにしている約束を、
相手は軽くキャンセルする。
そんな肩透かしをくらわないように、無意識
に少し控えめな熱量で関わりに臨んでしまう
ことがあります。
歳を重ねたせいなのか、できるだけ傷つかな
いように関係を保つ術を身につけてきたのか
もしれません。
そういう姿勢で居ると、傷はつきにくいけれ
ど心が通うつき合いには発展しにくいです。
そして薄いままの関係が続いてしまいます。
そんなことを考えながら周囲を見渡すと、
友人の中に一人居ました。そんな術を度外視
して人づき合いを進める人が…。
熱量高く関わることで傷つくことも多いよう
だけど、裏表を感じさせず、安心してつき合
える人です。
何でもそつなくこなし、しがらみ少なくクー
ルなつきあいも良いけれど、熱量を感じる人
に出会うと私はホッとします。
そしてその友人は、いくつになってもチャレ
ンジングで楽しめる人生を歩んでいます。
どうすれば良い人生を歩めるかなんて、歩い
ている途中にはなかなかわかりません。
それでも、
相手を大切に、丁寧に関わることで紡ぎ出さ
れるものがあるのだと、彼女をみて感じます。
流れる日々の中で、心に留まる小さなことに
も、心ある態度で反応できるように、私もな
りたいです。
そしてその姿勢は、誰かを支えると同時に
自分を支えてくれてるのだろうと思います。
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(170)マウントをとったり、とられたり2023.02.28 Tuesday
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≫≫音声朗読版
あなたは、
マウントを取られて、嫌な思いをしたことは
ありませんか?
また逆に、
あなた自身がマウントを取ったことに気づい
て、後悔したことはありませんか?
自分の方が優位だとアピールして主導権を握
ったり、相手の劣等感を引き出して気分を害
するマウンティング、
タイトルには「取ったり、取られたり」とつ
けましたが、マウンティングなんて無縁だ…
という方は何のことかわからないかもしれま
せん。本当はそう在りたいです。
でも、そうはいかない所で生きている方へ、
少しでも参考になれば….という思いで、マウ
ント発言を分解しながら考えていきます。
・・・と、書いたものの、私はこれまでマウ
ンティングについて深く考えて来たわけでは
ありません。それが、ほんの数ヶ月の間に、
驚くようなマウント場面を見たり聞いたりし
たことから、興味を持って考えるようになり
ました。
そうすると、
マウントを取られる被害者側だけではなく、
自分がマウントを仕掛ける側に回っていたの
ではないか?とも想像できる恥ずかしい過去
も思い出しました。
そこで、
マウントされた時の気分の対処と無意識にで
も自分がマウントする側にならないための対
策も含めて、ここで考えていきます。
初めに、
マウントを仕掛ける側の心理を想像してみました。
大きくはこの3つです。
1)優越感に浸りたい
2)主導権を握りたい
3)尊敬されたい
これらを思い浮かべることができると
された時の気分の対処も、
しないための意識を強く持つことも、
案外カンタンだと思いました。
なぜなら
マウントされた時、相手はこんな気の毒な心
情なのだと思えて、哀れみさえ湧いてきます
し、自分がマウントを仕掛けそうになった時
自分の本音が見えて恥ずかしくなるからです。
そこで、
私自身が思い出した事というのは、こんな経験です。
心理学を学ぶ中で精神医学界の大家から教え
を乞うた経験があると、訊かれもしないのに
話したことです。長く生きていればそんな経
験があっても当たり前で、自慢することでも
ないのに、言ってしまったのです。
ただ単に経験として関連場面で話すことがほ
とんどではありますが、でも、教えてもらっ
た内容以上に高名な先生の名前を出すところ
が何とも恥ずかしいわけです。
有名人とのツーショットを見せびらかす人の
心理にも似ていますね。
もう一つ、よく見かけるのが
小難しい専門用語を多用するケースです。
「それどういう意味?」と聴いているこちら
が思い巡らせている間に話は進んで行く。結
局、伝わってこないのだから、何が目的なの
かが怪しくなるのです。これも、マウントの
一種だと感じたりします。
こんなふうに振り返ると、相手を酷く傷つけ
るようなマウントよりも、喉元に小骨が刺さ
るようなちょっとした自慢を伴うものが大半
を占めるように思います。
そう思うと
年長者の苦労話や自慢話も度が過ぎるとウン
ザリさせる上に、マウントにも繋がりかねませんね。
私自身が気をつけねば、と思えてきます。
教訓として伝えることと、
苦労話や忍耐力の強さ、
知識自慢や人脈自慢のひけらかしは紙一重。
そんな中、
有難い教えをくださる方の発言は、鮮やかな
リスペクトに繋がります。
片や
亀の甲より、年の功と言わんばかりのお節介
発言は底の浅さが透けて見えます。
加えて感じることとして
同じ表現にも関わらず、人によって与える印
象の違いです。
例えば
「私はこんな本を読み、こういう順序で学び
を深めて来た。参考にすると良い」というア
ドバイスを頂いた時、
それが
・自慢げで、嫌味に聞こえる人
・正直な方だと感じられる人
・この人についていきたい!と
広い背中を感じさせる人
これらの違いは、
日頃の人あたりなどから汲み取られるその人
のキャラクターが作り出すのでしょうね。
つい口に出た自慢にもつながりそうな表現で
あっても、相手を思いやる姿勢を持つ方のそ
れは、可愛く思えたりすることもあります。
一方、
いくら事実でも、相手を軽く見る温かみが感
じられない人からは、それなりのものしか伝
わって来ません。
マウントされた場合の気持ちの対処を…と書
き出しておきながら、私自身への自戒が多く
なりました。
本題に戻り、
マウント被害者になることが多い方へは
傷つくようなマウントを仕掛けられた場合は
一旦は腹が立つものの、冒頭にも書いた相手
側の心理状態を思い出してもらいたいです。
1)優越感に浸りたい
2)主導権を握りたい
3)尊敬されたい
相手の心情がこんな可哀想な状態なのだと推
察できれば、苛立つことすらアホらしくなる
でしょう。そして、そんな相手は、できる限
りの方法で放っておきたものです。
最後に
この件に関わらず、対人場面で強く思うこと
はいつも同じだ思い返しました。
それは
「心の中で何を思うかは、その人の自由。
でも、それをどう表現するかに知恵を使える
かどうかが、その人格をも左右する」ということ。
日頃から相手に温かさを注ぎ、ウィットの効
いた表現で包み込むような態度がとれる人に
私は、憧れます。
相手の心を挫く(くじく)のではなく
関わる人の気持ちを、
そして、
何より自分の気持ちを、
上向ける表現力を持つことに意識を向けてお
く・・・それがマウント発言も含めネガティ
ブな気分から元気を復活させてくれるように
思います。
今月は、マウントについての傾向と対策をお
役に立てて頂ける形で綴る予定でした。それ
なのに、月末の今日、ギリギリの今、まとめ
た内容が、自分への戒めの方が大きくなって
しまったこと、お許しください。
読んでくださる方の中で、たったお一人で
も、この内容が参考になれば、幸いです。
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(169)10億円でも売りたくないもの2023.01.17 Tuesday
-
突然ですが
こんなことを頼まれたら
あなたはどうしますか?
「10億円で今後のあなたが受け取る感動を売
ってください」
…という申し出です。
これは、
10億円と引き換えに、ポジティブ・ネガテ
ィブを交えた、今後あなたに起こる心動く感
覚を渡してしまうという意味です。
ここでは「10億円」と表現しましたが、金
額は100億でも一兆でもイイのです。とにか
く、想像もつかないほどの金額です。
一生贅沢をしても余りあるほどの財産が手に
入る一方、今後一生心動く感覚を味わえない
という交換条件です。
どうでしょう?
あなたならどうしますか?
中には、ネガティブな感覚を味わいたくない
から「売ってもかまわない」という人がいる
かもしれません。でも、ポジティブな感動も
ろともなくなってもいい…という人は少ない
と思います。
また、10億円で感動を売る、、、なんて
一見、あり得ない話で、本気になって考える
のはバカバカしいと思う人が居るかもしれま
せん。
しかし、
全く考えるに値しない話でもないようです。
なぜなら、
気持ちを抑え過剰に働き、うつを患ったり、
時間に余裕がなく家族関係が希薄になった
り、挙句の果てに起こった過労死などの話を
耳にすると、感動を売ったのと変りないと感
じるからです。
また、
これほどまでに酷い状態に陥らなかったとし
ても、お金や対面のために大切なものを犠牲
にしていると気づかないことも多いと思います。
「10億円で感動を売れるか?」
この問を投げかけられた時、
私自身ハッとしました。
私の場合、
一番に浮かんだのが、娘との時間を削ったこ
とです。
シングルでの大変さはありましたが、子育て
の大切な時期に仕事を優先したことについて
は、取り返しがつかないという思いがあります。
もっと毎日、話を聴いてやれば良かった。
毎年旅行をしていれば良かった。
….など、今となっては後の祭りです。
時間を何に変えるか…それが私たちの人生の
質に関わってくるのは分かっていても、なか
なか行動に移せなかった。
いや、
若い頃は永遠に時間があるように感じ、そん
なことに考えが及ばなかったのだと思います。
高齢になって、やっと思い至る、
時間の質は人生の質につながっていること。
時間を何に使えば有効なのかは、みんなわか
っているのだと思います。
それは、誰もが持って生まれてきたもの、
「貢献欲」を満たすことでしょう。
誰かを喜ばせたいというその思いは、まずは
お母さんを喜ばせることから始まった人は多
いと思います。
誰かが喜ぶ様子が
自分の喜びに変わる。
そのような感動が自分の幸せにつながること
はわかっているのに、身近にある安定重視の
必要条件に心惑わされてしまう。
ご相談を受ける中で、こんな話を聞くことが
あります。
離婚したいけど、生活の安定を考えると別れ
られない、と子どもにも辛い環境を強いてし
まっている、、、とか
悪口が横行する、腐った人間関係がはびこる
職場でも、
「自分は他の会社では通用しない」
…と転職を諦めたり、
高齢の方からは、ボランティア活動をしたい
けれど、今は無理。定年退職してから始める
つもりだ….
という話など。
このような話を聞くと、
冒頭の「10億円で感動を売るかどうか」の
選択に重なってくると思いませんか?
日々の心の動きは細切れということもあり、
感動を売っているとは感じにくいでしょう。
けれど、このことに鈍感で居ると、心動く時
間は確実に減っていく。
そうして、
二度と戻らない時間が
どんどんこぼれ落ちていく。
この事実は、
大切なことなのに、忘れがちです。
年頭にあたり、
自戒の気持ちも込めてつぶやきました。
あなたの1年が
どうか上質な時間の連続でありますように…
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■ 編集後記 ■------------------------
「なんとなーくなしくずし的に始まって
楽しかったね。で終わりです。」
これは、私が毎月参加するある講座の主催者
が私にかけた言葉です。
今月の講座では、私が担当する出し物があり
ました。参加者70名で立ち見が出るほどで
少し慌てた私。
終了後の言葉ではありましたが、場の雰囲気
に委ね、楽しむことを優先する彼女の構え方
に安心感を感じました。
だいぶん緩んだとはいえ、まだ「ちゃんとし
たものを!」の気持ちが残る私には、年頭か
ら心地よい風が吹いた感じです。
今年も、気づいたことをピックアップしてつ
ぶやきます。どうぞよろしくお願いします♪
-
(166) 人の輪に入れない「アウェイ感」への手立て2022.10.31 Monday
-
「あぁ、なんだか馴染めない」
すでに出来上がってる人の輪に入る時、ちょ
っとしたアウェイ感を持つ経験は誰にもある
と思います。
カウンセリングでも、しばしば聞くお話です。
アウェイな感覚が長く続くことで、人との関
わり自体に苦手意識を持つ方もいるようです。
先月のタイトル「友だちができないという悩
み」と傾向は似ていますが、今月は、特定の
相手ではなく集団との関わりを考えます。
私たちは何をするにしても、初めはチョッと
した緊張感を伴います。
それが出会いの場面において 1対1 なら、抵
抗は少ないけれど、すでに輪ができている集
団の場合は様子が違います。
この時の感じについて「アウェイ」という表
現がフィットすると思い、タイトルに使いま
した。
「アウェイ」と聞いて、
あなたはどんなイメージが浮かびますか?
辞書には、「敵地」と出ています。
スポーツ等では、いつも練習している場所を
ホーム、相手チームの本拠地をアウェイと呼
びますね。
そこからもわかるように、自分にとって居心
地が悪い場所や、場違いな雰囲気を指してア
ウェイと表現されます。
例えば、
趣味のサークルに入会したり、
子どもが公園デビューする時のママさん、
また転職などで新たな関わりに加わった状態
が浮かびます。
最近では大人数のLINEグループもそれと似
ています。
自分から望んで関わった場であっても、馴染
むまでに多少の時間がかかります。
精神状態によっては、孤独感が迫り、いたた
まれなくなることがあるかもしれません。
今月は、このような心境を分解し、その対処
について考えます。
日常のちょっとしたアウェイ感から、イジメ
などで受ける強烈なものまで、さまざまです。
その中でも、
今回は、表立って「敵・味方」というのでは
ないけれど、なんだか居心地が悪い…という
ハッキリしない方の「アウェイ感」を取り上げます。
さて、
集団に加わった時、取り立てて問題が起きて
いるわけではないけれど、何だか落ち着かな
い状態について
この正体のおおもとは何なのでしょう?
それは
単純に「その場に慣れていない」というこ
とは想像がつきます。
では、
その場の “何に“ 慣れていないのでしょう?
それは、
既に在るその場特有の「不文律」であること
が多いです。
不文律とは
ハッキリとルール化はしていないけれど、
「こういう時はこんなふうにコトが進む」と
いうようなふんわりとした暗黙知です。
時間の経過によって、徐々にわかるその場の
決まりのようなもの。
初めはこれがわからず、心の中でキョロキョ
ロ周囲を見回すような落ち着かない感覚…
これがアウェイ感につながるように思います。
こんな時、
受け入れ側がこの様子に気づき、慣れるため
の働きかけがある場合はこの感覚はグン!と
減ります。
でも、そのような気遣いが見える形で表現さ
れるかどうかは、受け入れ側に居る個々人の
意識の違いによります。
ですから、相手からの気遣いを待つばかりで
なく、馴染むためのアプローチを持っておく
と、慣れるまでの時間が短縮できたり、居心
地も少しは変わってくると想うのです。
そこで私が経験から行うようになったのが
自ら「関わる姿勢」をマイルドに伝えるとい
うことです。
具体的に言うと、
直接自分に話しかけられていない場面でも、
全体的に発信されたことに対しては、反応を
示すということです。
これは、こちら側の「関わる意思」を表現し
関係づくりへと水を向けることを意味します。
その手段として私が提案するのは
「うなずき」です。
本来は「笑顔」や「ほほえみ」と言いたいと
ころですが、現在はマスク生活で表情が伝わ
りにくいです。
そういうことから、「うなずき」は以前にも
増して、効果的だと思うようになりました。
うなずくことは、
相手に対して「聴いてます」「関心を寄せて
ます」という姿勢が伝わりやすいです。
LINEでも、メッセージやスタンプなどの積
極的な返信ではなく「見ましたょ」的なサイ
ンを送れる機能があります。あれは便利ですね。
逆に、
聴いているのに、無反応だと、意図しない思
いが伝わってしまうこともあります。
どんな思いを持っていたとしても、
受け取られるものは、
こちらの表現によって相手に届いた印象で判
断されます。
私は仕事柄、うなずきが習慣づいているので
すが、特に日本人は意識しないとうなずきは
少ないようです。
うなずきについては、その深さや速さで、言
葉を発しなくてもこちらの姿勢を伝えること
ができる便利なツールです。
そしてもう一つ、
言動で気をつけることとして挙げたいのが
初めの内は、ひとまず意見を控えておく…と
いうことです。
え?
関わる姿勢としては逆じゃないの?
…..と思われるかもしれません。
ただ、これは私の場合です。
ふだんから
頭に浮かんだ考えが口をついて出てくる性分
のため、意識して胸の内に留めておく必要が
あるのです。
「こんな場合は、こうした方がいいのでは?」とか
「私ならこうするかなぁ」
など….
このような発言は「時期尚早で、余計なお世
話」ということもあります。
若い頃から 浮かんだままの考えを口にし、失
敗を重ねて来た私だから感じることです。
ですので、
「郷に入れば、郷に従え」
という諺もあるように
歳を重ねた今では、
意見を求められた場合には応える・・・その
程度がよいかな、と思うようになりました。
一方
私とは逆で、いつも控えめな方は
求められた時に発言できるよう、自分の意見
を意識しておくといいですね。
どちらにしても、集団への関わりに苦手意識
のある方は、一度うなずきを試してみてくだ
さい。面白がるつもりで自分を観察しながら
その場に居られると少し気分が違ってきます。
無理に集団に関わる必要はないですが、せっ
かく興味を持ったのに、この苦手意識から断
念するのならもったいないと思います。
一度切りの人生…と言うと月並みですが、
旅にもたとえられる私たちの歩み、行く先々
で自分に合った関係を意識しながら、工夫も
取り入れて、楽しんで進めていけるといいで
すね。
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(165)友だちができない…という悩み2022.09.23 Friday
-
「あなたは友だちが多いほうですか?」
…と、こう聞かれても
友だちをどのように定義するかによって、見解はそれぞれ違って、
答えにくいかもしれません。
ここでは「友だち」を少し踏み込んだ話もできる間柄とします。
多ければ良いというものではないけれど、
「友だちがいない」と感じる心境がつらいのは理解できます。
そしてこの件は、悩みのメインでなくても「人生の孤独」に繋がり、
上手くいかないことの一つだということは伝わって来ます。
そこで今月は、友だち関係が深まりにくい傾向を分解し、
関係を育てることについてつぶやきます。
仲が深まらない理由はさまざまあり、特定することはできませんが、
ここではうまくいきづらいケースを大きく2つに分けてみました。
1)相手との距離感がわからず、こちらから接近し過ぎて去っていかれる
2)相手ばかりが話し、こちらは聴き役になり、関係が深まらない
1)のケースでは
「自分をわかってほしい」「早く仲良くなりたい」という気持ちが強かったり、
相手の口数が少ないということもあるでしょう
2)のケースでは
「自分の話なんてつまらない」「聴いてもらうほどの価値ははない」と思い込んで、
自分の内面がわかるような話にまで及ばない
ご相談の中では、(2)のケースが多いので、ここでもそちらを取り上げます。
まず、
相手の話を聴いてあげて、こちらから傷つけることを言うわけでもないのに、
なぜ友だちになれないのか?
これについて、一つたとえ話しをします。
昔のTV番組で「箱の中身は何でしょう?」的な当て物ゲームがありましたよね。
覚えていますか?
箱の上部に穴が開いていて、そこに手を突っ込み、中のものを当てる・・・
罰ゲームなんかで使われていた、アレです。
例えば、ぬらしたコンニャクを割り箸に刺し、出題者がユラユラ揺らしている所に
手を突っ込ませる。
そうすると、ザラザラぬるぬるした手触りに、回答者は気持ち悪くて、
少し触れては手を引っ込める。そんなことを繰り返します。
中身がわからないと、爬虫類を想像して気持ち悪いですよね。
でも、それがコンニャクだとわかっていたら、どうでしょう?
何が言いたいのかというと
人はわからないものを怖がったり、気持ち悪がったりして
積極的に関わらないのは通常の反応だということです。
これが(2)のケースと重なるわけです。
自分のことを相手に伝えない状態は、
見えない箱に入っているのと似ていて「中身のわからなさ」が
気持ち悪さや不信感につながりやすいのです。
その状態が続くと、どう接したら良いかわからず、
相手は離れて行く。あるいは一緒にいても、
気持ちは近づかないままで友だちには発展しにくいです。
ただ、
クールな自分を演出するため、故意にしているなら、
それはそれでいいのかもしれません。
でも、関わりたいのに無意識にそうしているなら、もったいない話です。
通常、人との関係は一気に深まることは少なく、
徐々に親しくなりますよね。
初めは、お天気など表面的な話から始まり、その後、直接関係はないけれど、
その人の思いを覗かせるような、映画や書籍の感想等
何かを媒介に関わりを進めます。
そうして、
少し踏み込んだ話に及び、親密さへとだんだん関係が深まって行くのが一般的です。
それが、「自分の話なんてつまらない」「話すと嫌われるかもしれない」
などと思い込み、いつまでも表面的な話に留まっていると、
関係の進展は期待できません。
ただ、こういう微妙な頃加減を判断しながら関係を進めて行くのは、
簡単とは言いづらいです。
そのためにも、小さい頃から失敗も含め、
いろんなやり取りを経験することが大切です。
そう言いながら
未だに失敗のある私は、心に刻んでいることがあります。
それは、相手を傷つけまいと気持ちを抑え過ぎたり、
自分が傷つくことを恐れて発言を控えるより、
傷ついたり傷つけたりすることがあることを心に留めておく。
そうして、
伝える時の表現方法に知恵(心)を遣うことの方が重要だということ。
知恵(心)を遣うというのは、相手の気持ちを汲むのはもちろんですが、
同じことを発言するにも、タイミングやその抑揚、表情を含めた言葉の
バリエーションが挙げられます。
例えば、
怒りの気持ちを伝えたい時「腹が立つ」「ムカつく」と言うより
「驚いた」「困った」「悲しかった」という表現のほうがマイルド
で口にしやすいです。
また、もう少しダイレクトに伝えたければ
「傷ついた」「悔しかった」「ショックだった」という表現もアリかと思います。
このように言葉のストックを持っていることで、我慢や不快さを募らせるのではなく、
分かち合いが促されます。
私たちはついつい
「言う」か「言わない」・・・か、この二者択一になりがちです。
そんな時、
関係を育てることを前提に、「伝え方を工夫する」という
第三の道を選んでみるのはどうでしょう?
そうは言っても、いざその時になると勇気が要ります。
でも、そこが踏ん張りどころかな…と思うのです。
誤解を恐れずに言うと、関係を絶ってもいいと思える相手なら
「もういいか」と表面的な反応で済ませても構わないのかもしれません。
でも、
繋がって居たい人とは、「知恵(心)を遣うう」ことを面倒がってはいけません。
相手との関係も深まらないし、何より、人としての成熟もそこまでなのだと思うからです。
クライエントさんがよく言います。
「人間関係って面倒ですね」って。
そう、、、
人間関係は基本「面倒」です。
これがベースです。
そういうわけで、
人間関係に行き詰まり「あぁ、もう面倒だ」という
心のつぶやきが聞こえた時、それを踏ん張り所だと思えるとどうでしょう?
もし今、
関係を続けたいのに上手くいかないと感じる相手が頭に浮かんでいるなら、
関係が育つポイントに差しかかっているのかもしれません。
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■ 編集後期 ■------------------------
-
(161)上下関係…、強者の無自覚2022.05.26 Thursday
-
上下関係と聞くと、あなたはどんな関係を思
い浮かべますか?
例えば
親と子
上司と部下
教師と生徒
医師と患者
お客と店員
などが挙げられますし、他にも同僚であって
も、力関係によっては上下がつきます。
この関係で悩みがある方は、特定の人の顔が
浮かぶのではないでしょうか?
そこで今月は
上下関係から生まれる、言葉では表現しづら
い弱者の抵抗感について、立場的に上の人や
社会的に力が強い方の人の心がけについてつ
ぶやきます。
ここでは、表現の都合上、
立場が上の人、力が強い人を「強者」と呼
び、その逆の人を「弱者」と呼ぶことにします。
まず、
上下の関係では、いくら強者が対等な関係を
打ち出そうとしても、気がつけば、強者から
の指導や指示、命令など主従関係のようなも
のになってしまいがちです。
それらには
滞りなくことを進めたり
成長を促すためだったり
メリットも多くあります。
その反面、
弱者側がものを言えず、意思表示できない状
態に陥ることもあります。
このようなメリット・デメリットがある中、
ここでは、強者が弱者の本音に気づいていな
いことで生まれる問題点を考えます。
両者の間で、完全に対等な関係を目指すとい
うのは、正直難しいと思います。ただ、そう
は言っても、自由な意見交換がもたらす効果
は大きく、両者の発展のためには壁のない、
ものを言える関係を意識することは大切です。
例えば
男性ばかりだった会議での女性の発言や
年配者の中の若者の発言
これらは新鮮な発想につながることも多いです。
それがわかりながらも、強者が、その流れを
作るのは難しいこともあります。
なぜなら、
強者側が、自分の態度の大きさ、立場の強さ
を自覚できず、弱者側の口を塞いでいること
があるからです。
口を塞がれた相手は、強者を軽視したり、恨
みにつながることもあるでしょう。
立場の強さを意識して発言している人は別と
して、知らずにその流れを作っているとした
ら、もったいないと思います。
以前、
母娘の問題を話し合う当事者の会に参加した
時のことです。
摂食障害を持つ娘さんへの態度について、あ
るお母さんが「私は娘の話にしっかり耳を傾
けて、娘の意思を尊重しています」とおっし
ゃいました。
そこで私は、おたずねしました
「お嬢さんとお母さん、どちらが先に意見を
言うことが多いですか?」と。
その方は、こう答えられました。
「お母さんは、◯◯だと思うけど、あなたは
どう思ってるの?」というように意見を促す…と。
娘さんが何も言わないので、お母さんが待ち
きれず、先に意見を言ってしまう、というこ
とでした。これは娘さんからすれば「黙って
いればお母さんが意見を言ってくれて、それ
に従えばいい」という気持ちになっているの
かもしれない、と感じました。それと共に、
強者が先に発言することが、指示や命令、お
しつけにつながることを意識できていない、
上下関係のありがちなパターンが想像できま
した。
他の例では、
上司が間違ったことを言ったり、こちらの意
見を取り違えていることがわかっても、部下
は何も言わないということがよくあるのです。
母娘の会話と同様
強者が意見を促したとしても、立場の違いに
よって、無意識の内に相手へ威圧感を与えて
いるということ。そのため、強者側は、意見
を言う順番など、相手に対する配慮を忘れな
いように注意が必要だということです。
思春期を過ぎた子どもが、急に親へ暴力を振
るうという話はよく聞きます。それは、親が
強く居られる時は従っているけれど、力をつ
けた子どもが、ある時期を境に立場が逆転し
た例です。立場が弱い時に受けた言動に納得
できないことで、噴出した怒りが伝わってき
ます。
弱者側の反撃の有無は別として、気持ちの良
い関係を続けるには、立場が強い方が自らが
強者であることを自覚し、どれだけ相手に配
慮できるかにかかっているように思います。
加えて、
「自分は強者になることはない」と思ってい
る方へは、
人はずっと強者で居ることも、
ずっと弱者で居ることもないということを覚
えておいてほしいと思います。
というのも
コンビニへ入ればお客さんになりますし
誤って人にぶつかった時はちょっとした加害
者で、謝罪する立場になります。
強かった親も高齢となり、弱くなります。
そして
まだまだ元気と思っている自分自身も、
社会の中で弱者へと立場が移ろいます。
「立場が上」などという表現は抵抗があるの
ですが、この構図はいつもどこかに在り続け
るのでしょう。
そして、
強者側の時の言動こそが、その人の人間性を
窺わせるように思います。
そう考えると、
折に触れ、立場の確認、態度の振り返りを忘
れずに居たいものです。
今、
あなたはどちらの立場に立つことが多いですか?
どちらでもなく「中立」だとおっしゃる方、
そのような中に「強者側」に立つ方が多いよ
うに思います。
私自身、無自覚であることが多く、自戒を込
めてつぶやきました。
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